0歳でもイヤイヤ?——「自分で食べたい!」とのつきあい方を保育士が教えます


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「イヤイヤ期って、1歳半くらいからじゃないの?」

そう思っていたのに、まだ0歳のわが子が、もう「いや!」をはっきり伝えてくる。

  • スプーンを口元に持っていくと、ぷいっと顔をそむける
  • 食べるのをやめて、ストライキを起こす
  • スプーンを握ったら、ぜったいに放さない

保育園の0歳児クラスでも、同じ姿をたくさん見ています。

発達には個人差があるので、1歳半より前でも「いやいや」が出てくる子はいます。 今日は、0歳児のイヤイヤがいちばん出やすい食事の場面についてお話しします。

0歳のイヤイヤは「自分の意思」のあらわれ

0歳児のイヤイヤは、そのほとんどが「自分の意思を、はっきり示すようになった」ということです。

そして、いちばん出やすいのが食事のとき。合言葉は——

「自分で食べたい!」

  • 手づかみで、自分で食べたい
  • スプーンやフォークを使って、自分で食べたい
  • コップから、直接飲みたい

気持ちは、もう一人前です。

でも、手はまだついてこない

ところが、0歳の子の手は、まだ気持ちに追いついていません。

手先や指先の動き、手首の返しが、まだうまくできないんです。

だから——

  • こぼしてしまう
  • うまく口に入らなくて、怒る
  • スプーンを握ったものの、最後はお皿とカンカン打ち鳴らして遊びになってしまう

自分でやりたい。でも、できない。その悔しさが「いや!」になって出てきます。

正直、大変です

ここは正直に言わせてください。

食事の場面で「いや」や「自分で!」がはっきり出てくると、親御さんにとっても、保育士にとっても、正直大変です。

テーブルの上も、床も、食べ物や飲み物でべちゃべちゃ。

保育園の床は、すぐに拭き取れる素材になっています。でもご家庭だと、ラグを敷いていたり、賃貸だったり。

「汚したくない!」

そう思う気持ち、全力で同意します。

だから、つい大人が手を出して、きれいに食べさせたくなる。でも子どもは、自分で食べたい。

このいい塩梅をとるのが、本当に難しいんです。

見方を変えると、すばらしい成長です

でも、ひとつだけ考え方を変えてみてください。

何もわからないまま生まれてきた赤ちゃんが、自分の意思をもって、それを表現している。

こんなにすばらしい成長の過程は、ほかにありません。

「いや!」「自分で!」は、自分の力で生きていこうとする、本当の一歩なんです。

「お人形のようにかわいいわが子」から、意思をもった一人の人間へ。

その過程を、あーでもない、こーでもないと言い合いながら、一緒に成長していける。 子育てには、そんな喜びがあります。

食べ散らかしを防ぐ、5つの工夫

とはいえ、毎回テーブルがぐちゃぐちゃでは、大人の心がもちません。

保育園で実際にやっている工夫をご紹介します。どれも、子どもの「自分で」を止めずに、散らかりを減らす方法です。

① 「ここまでは手づかみ」と決める

手づかみは、自分で食べる練習のスタートです。手づかみしやすいものは、どんどん手で食べてもらいましょう。

② スプーンやフォークは、食事の最後のほうに渡す

最初から持たせると、打ち鳴らし遊びが始まりがちです。おなかが少し満たされてきた最後のほうに渡すと、落ち着いて使ってみようとします。

③ 手づかみに夢中なときに、さりげなく口元へ

手づかみでは難しそうな食材は、子どもが手づかみに夢中になっているときに、さりげなく大人が口元に運びます。 「食べさせられている」と感じにくいので、顔をそむけられにくくなります。

④ 汁物は「両手で持って、口をつけて飲む」を伝える

お椀に手を入れてしまう子も多いですよね。汁物は、両手でお椀を持って、口をつけて自分で飲むことを、大人がやって見せながら伝えます。

具は別のお皿に分けておくと、汁だけを飲みやすく、具は手づかみで食べられます。

⑤ ごはんは小さなおにぎりに

お米は、手づかみだとぽろぽろこぼれます。小さなおにぎりにするだけで、ぐんと食べやすくなり、散らかりも減ります。

「散らかしっぱなしでOK」にしない理由

ここは、保育士として少しだけお伝えしたいことです。

テーブルの上が散らかりきったままの状態を、いつも「OK」にしてしまうと、子どもは「こういうものなんだ」と覚えてしまうことがあります。

すると、上手に食べられるようになってからも、散らかった中で食べるのが、あたりまえになってしまうんです。

だからといって、厳しくする必要はまったくありません。上の工夫のように、散らかりにくい環境を大人が用意してあげる。それだけで十分です。

目指したいのは「余裕のある食事」

食事を、全力でかきこむように終わらせるよりも——

「おいしいね」 「ここ、持ってごらん」

そんなふうに、ちょっとでもやりとりをしながら、余裕をもってとる食事を目指してみてください。

大人の心に余裕があると、子どもの「いや!」も、少しだけかわいく見えてきます。

離乳食そのものに疲れてしまっている方は、保育士が伝えたい「離乳食、頑張りすぎなくていい」理由もあわせてどうぞ。

まとめ

  • 0歳でも、発達によっては1歳半より前にイヤイヤが出ることがあります
  • 0歳のイヤイヤは、自分の意思をはっきり示すようになったしるし。いちばん出やすいのは食事の場面
  • 「自分で食べたい」けれど、手先や手首はまだついてこない。だから怒る、こぼす、遊んでしまう
  • 大人にとっては正直大変。汚したくない気持ちは、あたりまえです
  • でもそれは、自分の力で生きていこうとする本当の一歩
  • 手づかみ・食具は最後・さりげなく口元へ・汁物は両手で・小さなおにぎりで、散らかりは減らせます
  • 目指すのは、やりとりをしながら、余裕をもってとる食事

もちろん、汚れてしまってもOKですよ。

みんなで食後のお風呂に入ってしまえばいいのですから🍀

それでも、ラグや賃貸の床がどうしても気になる……という方は、食事のときだけ床に敷く「食べこぼしマット」があると、気持ちがぐっとラクになります。こぼれても、あとでマットごと洗えばいい。そう思えるだけで、「自分で!」を見守る余裕が生まれます。